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【東大生】論理的なゲーム作りをするとどうなるのか

任天堂に対して、「東大生をたくさんとって面白いゲームが作れるのか!」なんて批判、ネット上で良く目にしますよね。

果たしてそういった頭の良い人たちが作るゲームってつまらないものなんでしょうか。

 

私は過去ソーシャルゲーム会社で働いていたのですが、東大生を含め一流大学をでた秀才たちと共にゲームを作ってきました。

そういった人たちは、感覚でなく論理的に物事を捉えます。

「これ面白いと思う!」ではなく、「こういう理由でこういうゲームを作った方が良い」という感じですね。

 

では論理的に作られたゲームってどんなものなのでしょうか?

今回はそれをお伝えできればと思います。

論理的思考とは

そもそも論理的ってなんなのでしょうか?

まず基本となる考え方を3つご紹介したいと思います。

本題のためのあくまで導入なので、興味がない方は飛ばしてしまっても大丈夫です。

帰納法

帰納法は色々な事実データから、傾向を探す考え方です。

  • 納豆を毎日食べている花子さんは痩せている
  • 納豆を全く食べない太郎くんは太っている
  • 納豆を週に1回食べる佐藤さんは普通体型だ
  • つまり納豆を食べると痩せる

といったようなものです。

 

統計も帰納法でして、元となるデータが増えれば増えるほど精度が高くなります。

ですので、ビッグデータとものすごく相性の良い、今の時代のよく使われる手法になります。

 

一方でデータの偏りがあったり、データの量が少ないと間違った結論を導きやすいという欠点もあります。

またあくまで傾向が分かるだけでして、それがなぜそうなるのかはその時点では分かりません。

ポケモンを面白いという人が多いという傾向がわかっても、なぜ面白いのかまでは分からないのです。

演繹法

確実な事実をつなげていき、そこから結論をだす方法です。

  • ナットウキナーゼは腸内環境を整える
  • 納豆はナットウキナーゼを含んでいる
  • 納豆は腸内環境を整える

といったようなものです。

 

確実な事実を繋げていくことで成立するものですので、確実な事実があることが前提となります。

しかし世の中に確実と言えるものは少ないわけで、 実際のところ憶測によって繋げられることが多々あります。

そのため誤った結論を導き出してしまうことは多々あります。

仮説推論

仮説推論とは、結果から原因を推測する手法です。

  • 庭の土が湿っている
  • 雨が降ると土が湿る
  • つまり雨が降ったのかもしれない

といったようなものです。

 

帰納法・演繹法ともに大量の事実があって初めて使える手法です。

一方現実では情報がない中で、物事を進めていくことが多々あります。

そのため、この仮説推論に頼るケースは多くあります。

 

とはいえ、現実に起きた結果を後付けで説明するものでしかありません。

これから起こる未来のことに関しては、ノータッチです。

 

今のAIには難しいもので、人間の強みとも言えるでしょう。

一方で確実性の低いものでして、あまりそれが正しいと思い込みしすぎるのは危険だったりします。

まとめ

論理的思考は過去のデータから傾向を導き出したり、事実を繋ぎ合わせることで成立する。

つまり未知のもの、データの少ないもの、もしくはデータが取れないものは論理的思考で扱うのが難しいというわけですね。

ゲームを論理的に作るとどうなるのか

面白さは測定できない

面白さは測定できません。

アンケートや離脱率などから面白いと感じてるかどうかを推測することができても、脳内に快感物質がドバドバ出てるぜ!なんてのは測定できないわけです。

 

したがって、どんなにデータを集めてもそれを面白いと感じてるかどうかはわかりません。

つまりどんなに論理的に考えたところで面白いと思ってくれてるかの実のところはわからないわけです。

論理を追求すると、面白さが無視されがち

では論理的にゲームを運営していくとどうなるのでしょう。

論理的に物事を進めていくためには、確実なデータが必要です。

そして確実なデータは売上や、ユーザ数、離脱率などといったものたちです。

つまりそういった面白さとは別の指標を追って運営していくことになります

 

するとどうなるかというと、それらの数字をあげることがほぼ全てになってしまいます。

例えば離脱率が上がったからログインボーナスをやろう、売り上げが落ちたからガチャをやろうといったように、目に見える数値を伸ばしていきがちです。

 

目に見える数字をあげることに時間を費やすことになってしまうと、目に見えず正解のわからない面白さに対する意識はどうしても薄くなってきてしまいます。

もちろん人によりますが、論理的に物事を進めていく上で数字で見えない面白さはどうしても注力し難いのです。

新しく作るゲームは過去のデータがない

論理的に思考には過去のデータや確実な事実が必要というお話をしました。

しかし新しく作るゲームにはこれがありません。

すると次のようなことが起こりがちです。

パクリゲームができやすい

ではどのように論理的に考えて新しいゲームを作るるのでしょうか。

それは過去出された他のゲームのデータを参考にすることです。

  • ポケモンは売れている
  • ポケモンはモンスターを仲間にするゲームである
  • モンスターを仲間にするゲームは売れる

あくまでこれはものすごく単純化したもので、実際はもっとしっかり論理付けされてることもあります。

しかし論理的に物事を進めていく上で、過去出されたゲームを基準に考えることがほとんどなのは間違いありません。

そのため必然的に、パクりと言われるものができやすいんです。

統計は多数決である

行動の指針になりやすい統計ですが、これは基本的に多数決です。

 

例えば納豆を食べて100人中99人が痩せて、1人が太ったとしても、納豆は痩せる食べ物なのです。

その1人にとっては体質的に納豆は太る食べ物なのかもしれませんが、その事実は無視されます。

 

このように、統計で進めていくと少数派の志向はどんどん無視されて、多数派の志向に最適化されていきます。

尖ったゲームになりづらい

そのため、尖ったゲームになりづらいです。

 

例えば物凄く難しくて100人中99人が途中で投げ出してしまうようなゲームでも、難しいゲーム好きが熱狂的なファンとしてそのゲームを支えているなんて尖ったゲームたまにありますよね。

しかし統計で考えると、その1人の意見は無視されやすくなります。

そのため万人ウケするような丸いゲームが出来上がっていくのです。

 

大衆受けするデザインやゲームシステムはどうしても同じようなものになりがちなため、似たり寄ったりなゲームになりやすいんですね。

おわりに

いかがだったでしょうか?

ソーシャルゲーム会社の経験から、論理的にゲームを作るとどうなるかについて説明してきました。

 

身の回りのゲームを思い浮かべると、「このゲーム論理的に考えて作ってるんだろうなぁ」なんてのも見えてくるかもしれませんね!

 

何事も一長一短でして、論理的が良い、悪いではありません。

ただ個人的には一般受けしないようなゲームが好きだったりするので、センスで作られたとんがったゲームにも期待していきたいですね!